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🎨 デザイントークン

業務システムのカラーパレット標準|意味を持つ色の設計

業務システムにおいて、色は「きれいに見せるもの」ではなく 状態を伝える情報 です。同じ赤が、ある画面ではエラー、別の画面では重要マークとして使われていると、利用者は色から意味を読み取れなくなります。

色は役割名で定義する

✕ 見た目ベース

--blue-600
--red-500
→ 色を変えると名前が嘘になる

◯ 役割ベース

--color-primary
--color-danger
→ 色を変えても意味は保たれる

実務では2層構造にすると管理しやすくなります。

/* 1層目:原色パレット(Primitive) */
--navy-700: #23415a;
--red-500:  #d64545;

/* 2層目:役割(Semantic)— UIから参照するのはこちらだけ */
--color-primary:  var(--navy-700);
--color-danger:   var(--red-500);
--color-surface:  #ffffff;
--color-bg:       #f6f7f9;
--color-border:   #e4e8ed;
--color-text:     #333f4d;
--color-text-weak:#6b7887;
POINT

画面やコンポーネントから --navy-700 を直接参照しないルールにしてください。Semantic層だけを参照すると決めておけば、ブランド変更やダークテーマ対応が1ファイルの差し替えで済みます。

最低限そろえるべき役割

役割用途備考
primary主ボタン、リンク、選択状態1色に絞る
secondary副次的な操作グレー系で十分なことが多い
success完了、正常緑系
warning注意、要確認黄・橙系
dangerエラー、削除赤系
info補足、案内青系。primaryと近すぎると混同する
surfaceカード・パネルの背景
bg画面全体の背景ごく薄いグレー
border区切り線・枠線2〜3段階あると便利
text / text-weak / text-disabled文字色3段階

ステータス色を固定する

業務システムには必ずステータスがあります。同じステータスは全画面で同じ色にしてください。

ステータス例意味
下書き・未入力グレーまだ動いていない
申請中・処理中進行中
承認済・完了正常終了
差戻し・要確認黄/橙利用者の対応が必要
却下・エラー・期限超過異常・停止
運用上の注意

ステータスの種類が10個を超えると、色だけでは区別できなくなります。その場合は色は5系統に集約し、文言で区別してください。色を増やす方向に逃げると破綻します。

コントラスト比を必ず検証する

対象必要なコントラスト比(WCAG 2.2 AA)
本文テキスト(18px未満)4.5:1 以上
大きい文字(18.66px以上の太字、24px以上)3:1 以上
UI部品の境界・アイコン3:1 以上
フォーカスインジケーター3:1 以上

特に注意すべきは、業務システムで多用される 薄いグレーの補足テキスト です。#999999 を白背景に置くとコントラスト比は約2.8:1で、基準を満たしません。補足テキストは #6b7887 前後(約4.7:1)までに留めてください。

よくある不適合
  • プレースホルダーの色が薄すぎる
  • 無効化ボタンの文字が読めない
  • 黄色の警告バッジに白文字(黄と白は最もコントラストが取りにくい組み合わせ)
  • 薄い緑背景に緑文字のステータスバッジ

色だけで情報を伝えない

日本人男性の約5%に色覚特性があります。業務システムは利用者を選べないため、色+形/文言 の併用を標準とします。

  • ステータスバッジは色+文言(「承認済」)で表示する
  • エラー欄は赤枠だけでなく、アイコンとエラーメッセージを添える
  • グラフは色分けだけでなく、パターンや直接ラベルを併用する
  • 必須項目を赤色だけで示さない
  • 一覧の行の強調に背景色だけを使わず、アイコンや左端のバーを併用する

業務システム向けの配色バランス

面積の目安(60-30-10 の考え方)
  • 60%:背景・サーフェス(白〜ごく薄いグレー)
  • 30%:テキスト・罫線・ヘッダーなどの構造色
  • 10%:primaryとステータス色。ここを絞るほど重要な情報が目立つ

業務システムでは、彩度の高い色を使う面積をできるだけ小さくするのが定石です。画面全体が鮮やかだと、本当に注意すべき赤が埋もれます。

ダークテーマを入れるかどうか

要望として挙がりやすいテーマですが、業務システムでは慎重に判断してください。

  • Semantic層が整理されていれば実装コストは大きくない
  • ただし帳票プレビュー・印刷・グラフ・添付画像の見え方の検証が必要になる
  • ステータス色は暗背景で彩度を上げないとコントラストが不足する
  • 優先度としては、まずライトテーマのコントラスト適合を先に完了させる

チェックポイント

  • 色が役割名(primary / danger など)で定義されている
  • UIコードに生の色コードが残っていない
  • 同じステータスが全画面で同じ色になっている
  • 本文のコントラスト比が4.5:1以上ある
  • 色だけで状態を伝えている箇所がない
  • 彩度の高い色の使用面積が10%程度に収まっている
🎨 次に読む タイポグラフィと余白のトークン設計|8pxグリッドで迷いを消す 文字サイズ・行間・余白を数値で固定し、画面ごとのぶれを止める方法。
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